なぜChatHubは便利なのか?
最近、ChatHubというツールを使っています。
きっかけは単純で、タブを開くのが面倒になってきたからです。Claude、ChatGPT、Gemini、それぞれ別のブラウザタブで契約して使っていたのですが、同じ質問を3つに投げようとするたびに、コピー&ペーストを繰り返す作業が地味にストレスになってきました。
その前にabacus.aiというツールも使っていました。複数のAIを切り替えられるサービスです。ただ、切り替えること自体がまた一手間で、結局「今どのAIで答えてもらっているんだっけ」という状態になりがちでした。
そこで今使っているのがChatHubです。同じ画面に3つでも4つでもAIを並べて、同じ質問を一度に投げられます。ノートPCだと画面が狭くて少し見づらいのですが、デスクトップで外部ディスプレイを使っている環境だと、これが思いのほか快適です。2026年時点で30万人以上が使っているサービスで、Chrome拡張としてのレビューも4.7と高評価です。
個人の開発者が作ったツールがここまで広がったというのも、それだけ「複数のAIを同時に使いたい」というニーズがいかに大きかったかを示しているように思います。
私はメインでClaudeを使っているのですが、時々「これ、合ってるのかな」と思う回答が出てくることがあります。いわゆるハルシネーション、AIが事実ではないことを自信満々に答えてしまう問題です。
これは2026年現在も業界全体で解決されていない問題です。研究データによると、最新モデルでも構造的な分析タスクでは15%以上の誤回答率が報告されており、タスクや使い方によっては50〜80%以上の割合で何らかの誤りが含まれるという調査結果も出ています。Claudeが特別にひどいというわけではなく、どのAIも程度の差はあれ、この問題を抱えています。
複数のAIを並べることは、現実的な対処法になる
面白いのは、複数のAIを並べて比較すること自体が、ハルシネーションへの一つの現実的な対処法になっているという点です。複数のモデルが同じ誤情報を作り出すことは少なく、1つが間違えても別のモデルが正しい情報を出してくれることがあります。
ChatHubを使い始めた理由はただの「面倒くさい」解消だったのですが、使い続けているうちに、これはAIの精度問題への対応としても理にかなっているなと感じるようになりました。
最終判断は人間が行う
とはいえ、最終的に「どの情報を信じるか」の判断は人間がしなければならない。そこは変わりません。AIはあくまで補助であって、鵜呑みにするものではない、という基本的な姿勢は、どれだけ便利なツールが出てきても変わらないと思っています。
市場に選択肢が増えると、人は必ず比較し始める
ChatHubのようなツールが生まれた背景には、AI市場の構造的な変化があります。
数年前は「AIといえばChatGPT」という時代がありました。選択肢が1つなら、比較する必要がありません。ところが今は、Claude、Gemini、Grok、DeepSeek、Perplexity……と、数ヶ月ごとに新しいモデルが登場し、それぞれが「うちが一番」と主張しています。どれも日進月歩でアップデートされていて、今月はこのAIが良いと思っていたら、来月には別のAIが追い抜いているということが普通に起きています。
こうなると、ユーザーは必然的に「比較」に走り始めます。ChatHubの30万人というユーザー数は、その証拠のひとつです。「どれが正解かわからないから、全部並べてみよう」という行動です。
AI業界だけの話ではない
ただ、これはAI業界だけの話ではありません。どんな市場でも、選択肢が増えてある程度出揃ってくると、同じことが起きます。スマートフォンが出始めた頃は「iPhoneかAndroidか」という比較でしたが、今は機種ごとに細かく比較サイトが存在します。転職サービスも、クレジットカードも、英会話スクールも、市場が成熟するほど「比較コンテンツ」が増えていく。
そしてここに、Web集客の本質的なヒントが隠れていると思っています。
大谷翔平がベーブ・ルースと比べられ続ける理由
大谷翔平選手は、今もベーブ・ルースと比較され続けています。
ベーブ・ルースは1914年から1935年まで活躍した選手で、投手としても打者としても一流という「二刀流の先駆者」として知られています。大谷選手が登場したとき、野球界が真っ先に持ち出したのがこのルースの名前でした。「ベーブ・ルース以来100年ぶりの二刀流」という文脈です。
これは単に記録が似ているから比較されているわけではありません。ルースが「二刀流というカテゴリーの最初の人間」だったから、100年後に似たことをやる人間が現れたとき、自動的に比較の基準になったのです。
米データ分析サイトのコメントに「ベーブ・ルース以来なんて言うのは止めよう。大谷は類を見ない」という声があったのが印象的でした。それだけ大谷選手の実績がルースを超えているという評価なのですが、それでもなお「ルースと比較する」という文脈が消えないのは、ルースが最初にそのポジションを作ったからです。
最初にカテゴリーを作った者は、比較の基準になる
最初にカテゴリーを作った者は、後から来る全員の「比較の基準」になる。これは野球の話ですが、ビジネスにもWeb集客にもそのまま当てはまる話だと思います。
比較対象が少ない場所を選ぶことの意味
私がセブ島留学メディアを作ったとき、「フィリピン留学」というキーワードは意図的に狙いませんでした。
「フィリピン留学」のほうが検索ボリュームは大きいです。ただ、そこにはすでに強いサイトがたくさんいました。正面から戦っても、勝てる見込みが薄かった。それより「セブ島留学」という、より絞り込んだキーワードに特化したほうが、早く1位が取れると判断しました。
検索ボリュームの大きさと収益の大きさは比例しない
結果として、半年で検索TOP3に入り、1年後には現地留学生のバイブルと呼ばれるポジションを獲得しました。「フィリピン留学」で上位にいるサイトより多くの収益を上げることもできました。検索ボリュームの大きさと収益の大きさは、必ずしも比例しないのです。
比較対象が少ない場所で1位を取る
比較対象が少ない場所で1位を取る。それが出発点です。
自社メディアは、その戦い方と相性が良い
Web集客の文脈でいうと、この「比較対象が少ない場所で1位を取る」という戦い方と最も相性が良いのが、自社メディアだと思っています。
広告は出した瞬間だけ効果があります。止めれば終わりです。しかし自社メディアで特定の領域に特化したコンテンツを積み上げていくと、時間が経つほど「この分野といえばこの会社」というポジションが育っていきます。コンテンツは資産として残り続け、1年後・2年後にも集客を続けてくれます。
どの領域で1位を狙うかを最初に決める
大事なのは「どの領域で1位を狙うか」を最初に決めることです。そこが曖昧なまま記事を増やしても、比較の基準にはなれません。
ベーブ・ルースが二刀流のカテゴリーを作ったように、ChatHubが「複数AIを同時に比較する」という使い方を広めたように、最初に特定の文脈で記憶されることが、長期的なブランドの土台になります。
比較される前に、比較の基準になる
AIツールの比較ツールを使いながらそんなことを考えていました。
自社のWebメディアを、会社の中に育てていく。その設計を一緒にやりたい方は、ぜひご相談ください。
参考
ChatHub公式サービス概要(tooljunction.io, 2026年3月)











