台風の日に、昔の記事が突然よみがえる。SEO・AIOでコンテンツの裾野はどこまで広げるべきか

台風の日に、昔の記事が突然よみがえる。SEO・AIOでコンテンツの裾野はどこまで広げるべきか

2026年9月21日、大型で強い台風25号が関東に接近しています。午前10時時点では八丈島の西南西を北東に進み、午後から夜にかけて関東へ接近する見通しとされ、大雨や暴風、交通機関への影響にも警戒が呼びかけられています。(weathernews.jp)

こうしたニュースを見ると、Webマーケティングの仕事をしていて何度も経験してきた現象を思い出します。

それは、昔作ったニュース・災害関連の記事が、新しい出来事をきっかけに突然また読まれ始めることがあるということです。

たとえば以前、「セブ島で台風が起きたときの被害状況」のような記事を作ったとします。公開直後はニュースに合わせてアクセスが集まり、その後は時間とともに落ち着いていく。

ところが数年後、また大きな台風が発生すると、その昔の記事が突然伸びることがあります。

新しい台風のニュースを見た人が、「セブ島は台風の被害を受けやすいのか」「過去にはどのくらい被害があったのか」「旅行や留学には影響するのか」といった疑問を持ち、過去の情報まで検索し始めるからだと考えられます。

ニュース記事というと、公開した瞬間だけアクセスを集め、その後は読まれなくなる「フロー型コンテンツ」のイメージがあります。しかし実際には、同じテーマのニュースが数年後に再び起きることで、昔の記事がもう一度検索されることがあります。

そして、私がさらに興味深いと感じているのはその先です。

目次

過去のニュース記事から、サービスへのバナーがクリックされる

古いニュース記事のPVが増えること自体は、それほど不思議ではありません。

今回のように台風がニュースになれば、過去の台風被害を調べる検索需要が発生する。過去の記事が検索結果に残っていれば、そこにアクセスが集まる可能性があります。

ただ、実際にアクセス解析を見ていて興味深いのは、その記事からクライアントのサービスを紹介するバナーまでクリックされることがあることです。

たとえばセブ島の過去の台風被害について調べていた人が、その記事を読んだあとに、記事内に設置しているサービスのバナーをクリックする。さらに、その先でCVにつながるケースまであります。

ユーザーは最初からそのサービスを探していたわけではありません。きっかけは「今回の台風」です。そこから過去の台風情報を検索し、記事を読み、その流れで運営元やサービスにも興味を持った可能性があります。

もちろん、アクセス解析だけからユーザーの心理まで断定することはできません。

ただ少なくとも、

ニュースを知る → 過去の記事を検索する → 記事を読む → サービスを知る → サービスサイトへ移動する

という導線が実際に発生するケースがあります。

そう考えると、ニュース記事は単純に「その日のアクセスを取るための記事」とは限りません。一度作った記事が検索結果に残り、数年後に同じテーマのニュースが発生したとき、もう一度ユーザーとの接点として機能することがあります。

ただし、ニュース系記事が有効かどうかはサービスによってかなり違う

ここで重要なのは、「ではニュース記事をたくさん作ればいい」という話ではないことです。

複数のサイトを見ていると、このあたりはサービスによってかなり違うという印象があります。

あるサービスでは、比較的広いテーマまでコンテンツを作り、PVを増やしていくと、サービスサイトへの流入やCVもある程度増えていきます。サービスそのものを検索していなかった人でも、記事を入口として会社やサービスを知り、そこから興味を持つからです。

一方で、まったく逆のケースもあります。大量のPVを集めても、サービスページへの遷移がほとんど増えず、問い合わせや申し込みにもつながらない。

つまり、「PVを増やせばCVも増える」わけでもなければ、「サービスから遠い記事は意味がない」とも限らないということです。

SEO・AIOで、コンテンツの裾野をどこまで広げるか

これはSEOだけでなく、今後AIOを考えるうえでも重要だと思っています。

コンテンツマーケティングでは、「自社サービスとどのくらい関連しているテーマまで記事を作るべきか」という問題があります。

CVに近いキーワードだけを狙うのか、周辺テーマまで広げるのか、さらにニュースや時事テーマまで扱うのか。

正解はサービスによって違います。

見るべきなのはPVだけではなく、

記事PV → バナークリック → サービスページへの遷移 → CV

までの流れです。

周辺テーマの記事を大量に作ってもサービスへのクリックがほとんど発生しないのであれば、広げすぎている可能性があります。逆に、一見遠いテーマの記事からでも一定割合でサービスへ遷移し、CVまで発生しているなら、より広いテーマを扱う余地があります。

ニュース系の記事も同じです。公開直後だけでなく、数年後に同じようなニュースが起きたときに再び検索され、サービスへの接点になるのであれば、その記事にはストックコンテンツとしての価値もあります。

今回の台風を見ていて、改めて感じたのは、SEOやAIOでコンテンツの裾野をどこまで広げるべきかは、一般論ではなく自社のデータから判断するべきだということです。

検索需要があるから作る、サービスから遠いから作らない、と単純に決めるのではなく、その記事を入口としてユーザーが実際にサービスまで動いているかを見る。

そのデータを積み重ねることで、自社にとって適切なコンテンツの広さが見えてきます。

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